がん全般

がんとともに生きるということ

がんの告知から、世界が一変してしまいました。

当たり前に続くと思っていた日常は奪われ、1ヶ月後、3ヶ月後、自分がどんな状態でどこにいるのかもわからなくなりました。

5年後、10年後、私は生きているのか。

いつ手術するんだろう、そもそも手術できるステージなの?

術後は後遺症出るのかな、抗がん剤はどんな薬剤でどんなスケジュール?

そもそも抗がん剤や放射線治療をするのかどうか。

楽しみにしていた夏休みの旅行、任されていた仕事、友達と会う約束、子どもの保育園の行事…

ある日突然、昨日までと世界が全く変わってしまうのです。

わからないことだらけで、わからないがゆえに不安と恐怖と悲しみが押し寄せ、とても苦しい時間を過ごしました。

そんなときに、産婦人科の兄に言われた言葉が印象的で、心が軽くなりました。

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がんって言われると、みんな0か100かで考えてしまう。

がん細胞が自分の体の中にいるかいないか。

手術で取り切れたのかどうか。

抗がん剤で0にできたかどうか。

でも、最近の考え方はそうではない。

糖尿病や脂質異常症と同じ”慢性病”として付き合っていく病気というように捉えられている。

がん細胞は誰しもの体の中にできるもので、それを自身の免疫によって排除しているが、排除しきれずに増えていったものが、がんとして認識される。

がん患者ではない人の体の中にも、がん細胞は存在する。

だから0にはできないし、する必要もない。

新しい薬もどんどん増えている。

一度効かなくなった薬も、違う薬を使っている間にまた効くようになることもある。

がん細胞が体の中に多少いても、増えない時期もある。

増えてきたタイミングで抗がん剤などを使いながら抑えつつ、それを繰り返しながら少しでも長く生きられるように。

一進一退しながらうまく付き合っていくもの。

この2-3年で治療法もどんどん変わっているから、これからの数年でさらに変わっていく。

だから、希望を捨てないで、がんばろう。

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どうしても、がん=死というイメージが強く、受け入れることは難しかったのですが、この話を聞いて少し前向きになれました。

それでも根治を目指したい気持ちは変わらないけど。

怖くて仕方がないけれど。

うまく付き合っていく。

がんとともに生きる。